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5.17院内緊急学習会「共謀罪・安倍暴政を許さない!主権者が日本を取り戻す!」基調報告等の概要

戦争・弾圧・搾取に突き進む安倍暴政の本質を知り主権者が日本を取り戻す! 

オールジャパン平和と共生の院内緊急学習会が17日、衆院第一議員会館内で開かれ、150人の市民と国会議員が植草一秀・山田正彦両運営委員ならびに駆けつけた国会議員、平和と共生顧問の話を聞いた。政治経済学者の植草氏は基調報告として安倍政権の本質と政権奪還の方策について、元農水相で弁護士の山田氏は主要農作物種子法(種子法)廃止を踏まえて公共品種保全法制定について提言した。

「共謀罪・安倍暴政を許さない!!主権者が日本を取り戻す!」と題した勉強会には、同会最高顧問の原中勝征(前日本医師会長)や顧問の平野貞夫(元参院議員)・二見伸明(元運輸相)・藤田高景(村山談話を継承し発展させる会理事長)・梓澤和幸(山梨学院大法科大学院教授・弁護士)各氏のほか、会場手配の労を取って下さった玉城デニー衆議院議員、初鹿明博衆議院議員、鈴木克昌衆議院議員、福島伸享衆議院議員、森ゆう子参議院議員も出席し、あいさつした。

平野氏は、現在衆院法務委員会で審議されている「共謀罪」法案について「戦争国家をつくる最後の総仕上げ」と指摘。「憲法9条解釈改憲による新安保法制というハードと国家情報を管理する特定秘密保護法というソフトをつくったが、それだけでは戦争できない。戦争するためには、反対する国民を締め付けなくてはならず、それが治安維持法であり、今度の共謀罪。こんな狂ったことをさせてはいかん」と訴えた。

安倍暴政を退場させ政策選択選挙で主権者政権樹立を

植草氏は安倍政治「真・三本の矢」は戦争・弾圧・搾取であるとしたかむろてつ氏の指摘を紹介。グローバリズムを「大資本の利益を極大化するために国境を越えて、市場原理のみによって経済社会を動かすことを目指す運動」と定義。グローバリズムの本質は労働分配率の引き下げ、すなわち資本の利益の極大化にあることを経済統計を基に指摘した。
低賃金労働の越境移動促進は反グローバリズム運動を誘発しているが、これが社民主義政策を求める運動と排外差別主義に分断されている。英国国民投票や米国大統領選では両者が一部融合して反グローバリズムの判断を示したが、フランスではグローバリズム推進勢力が勝利した。
5月のフランス大統領選について植草氏は、「ブノワ・アモン(社会党)候補とジャン・リュック・メランション(左翼党)候補が一本化していれば、決戦投票に残った。1人の当選者を選出する選挙では、「大同団結の可否が勝敗の鍵を握る」と強調した。韓国大統領選では対米従属勢力の候補者が一本化されず、米国主導政治に距離を置く文在寅(ムン・ジェイン)氏勝利が実現したと分析した。
森友学園疑惑について、2月17日の衆院予算委員会で安倍首相が「私や妻が関わっていたら総理大臣も国会議員も辞める」と発言したことを「千載一遇のチャンス」と指摘し、安倍昭恵氏による説明の場を設定することは国会の責務であるとした。
「問題の本質は忖度(そんたく)ではなく、公務員による不正の有無だ」と主張。国有財産を適正な対価なく激安に払い下げた財政法違反の背任と公文書管理規則違反の疑いが濃厚であり、安倍首相は行政最高責任者として責任を負うと同時に安倍首相夫妻に問題を誘発する関与があったのなら極めて重大な政治腐敗問題そのものであり、うやむや決着は断じて許されないとした。

「安倍政権の本質である戦争・弾圧・搾取は表裏一体の関係にあり、いずれも資本の利益極大化のための戦争と搾取はハゲタカ資本の行動原理そのものであり、このハゲタカ資本にとっての最大の敵が民衆、民主主義である。資本主義対民主主義の闘いというのが政治対立の本質である」
グローバル化を進めるハゲタカ資本が日本を組み込もうとしているのが環太平洋連携協定(TPP)であり、日本の諸規制・諸制度を米国化し、国家主権を奪うものと指摘。しかし、日本の米国化と国家主権喪失は外圧のみにより推進されているのではなく、安倍政権が「並行して産業競争力会議や規制改革会議、国家戦略特区などの場を中軸に日本国内からこれを推進していることを見落としてはならない」と警鐘を鳴らした。
TPPの売国性を示す一例としてTPPにおける関税交渉の結果を肉と自動車の事例を提示。牛肉関税は現在38.5%が発効と同時に27.5%、16年目から9%になる。豚肉は現在1キロ当たり482円だが、発効と同時に125円に、10年目から50円になる。
これに対し、日本にメリットがあるとされる米国向け乗用車は、現行2.5%の関税率を15年間引き下げないことを、米側が重視する米国で乗用車よりも販売台数の多いライトトラック・トラックは現行の25%の関税率を、驚くなかれ、29年間引き下げないことを決めた。米国が日本に輸出する際の関税はゼロである。「関税自由化と言いながら、これがTPPの正体」と強調した。

政府の活動=政治は財政そのものであり、財政構造に政治のあり方がそのまま表れている。「安倍政治の本質は「戦争と弱肉強食」で、これが財政構造、歳出と歳入に表れている」と指摘。「利権支出は増やすが、社会保障は切るというのが財務省の予算編成の基本。一方、歳入面では過去25年間、所得・法人税は半分以下に、消費税だけを6倍に激増させた。富裕層には極めて優しく、所得の少ない人には死ねという過酷な財政対応だ」と糾弾した。
「政府の借金1000兆円」「国民1人当たり800万円の借金」との言説については、国民経済計算の2015年期末貸借対照表勘定を示し、借金100兆円はうそではないが、借金を上回る資産の存在には絶対に言及しない。日本政府は62兆円超の資産超過である事実を指摘。「日本財政破綻の可能性はゼロ。庶民を踏みつけにする消費税大増税のためのプロパガンダが流布されており、消費税増税の税収はシロアリの餌でしかない」とした。
約130兆円の外貨準備金に触れ、「政府が日銀から借金して米国債を買うが、満期が来ても自動的に新しい国債に乗り換えさせられていて、償還金が戻ってきたことは1度もない。米国に対する上納金になっている」と批判した。
働き方改革については、その狙いを「解雇の自由化と外国人労働者の活用、残業代ゼロ制度の導入と月100時間までの残業を合法化だ」と両断した。

上位1%が99%を支配するための5つの手法として、教育、洗脳、恐怖、堕落、買収を挙げた。このうち「買収」についてはジャーナリストの山口敬之氏を念頭に、「準強姦罪で逮捕状が出たのに警察がもみ消した。私は無実を確実に証明する防犯カメラ映像があったのに警察が握りつぶした。共謀罪などが整備されれば、気にくわないやつはどんどん犯罪者に、よいしょする人は無罪放免というのがますます顕著になる」と指弾した。
その上で、今後の闘いを「資本主義対民主主義」と提起。「資本主義の欠陥を抑え込むのが民主主義。問題を解決するための最良の方策は民主主義の活用だ」と呼び掛けた。
オールジャパン平和と共生は16年3月、文京シビックホールで参院総決起集会を開き、野党共闘を促した。同選挙の結果は、32の1人区で野党共闘が11勝した。選挙区選挙で野党陣営が勝利した地域は国土面積比で与党と完全に互角だったことを説明した。
14年の総選挙と16年の参院選の比例絶対得票率に注目し、「25%の力を結集すれば、互角の戦いになる」と指摘。「ただ、維新が与党に移ったので、与党陣営が大きくなった。第三極とは、隠れ自公をつくって反政府票をおびき寄せる作戦だ」と注意を喚起した。
オールジャパン平和と共生は、反戦・反核・反貧困・平和・共生を掲げる「日本版5つ星運動」を展開したいと表明。
次の総選挙に向けては、戦争法廃止・原発廃止・消費税率引下げの3つを公約に明記した上で「政策選択選挙」を実現するべきだと提唱した。
そのために、早期に次期衆院選立候補予定者に公開質問状を送付。回答をオールジャパン平和と共生ウェブサイトに一覧表示して掲載する予定。その上で、1選挙区1候補者擁立の体制を構築することを目指す。豊洲移転中止・築地再整備には賛成だが、「小池知事を軸とする第2自公勢力創設の策謀については強く警戒しなければならない」と補足した。

種子法失効前に公共品種保全法を

山田氏はまず、TPPが「あくまで眠っている状態」と指摘。これを批准した安倍政権はその国内法として整備しているものとして、種子法廃止や農業競争力強化支援法、農村地域工業誘導推進法、水道法改定、官民連携指針法などを挙げ、「その中の最たるものが種子法廃止であり、日本の農業はつぶれる」と提起した。
「これまで日本は、コメや麦、大豆など主要作物は国が管理し、各自治体が伝統的な原種・原原種を守ってきた。これを廃止し、全て民間に任せようとしている。すると、今まで優良品種、例えばコシヒカリなど各県で競争してきたものを国が予算を付けて農家に安く安定供給してきたものができなくなる」
こうした「公共品種」と呼ばれる優良品種は現在、米だけでも約300種あるが、農業競争力強化推進法8条3項では銘柄を集約し、5、6種になる。主要穀物の種子が民間に開放されれば、種籾の価格が5~10倍に跳ね上がるという。
「現在、三井化学『みつひかり』や住友化学『つくばSD』、日本モンサント『とねのめぐみ』は公共品種の4~5倍の価格で販売されている。民間の品種はF1(1代交配種)で、自家採取できず、毎年新たに種籾を購入しなければならない」
かつて日本の野菜の種子は、国産が100%だったが、現在は90%が海外生産。種子法が廃止されれば、コメなどの主要農産物の種子もこの運命をたどると指摘した。
農業競争力強化支援法8条4項により、主要穀物の原種、原原種、優良品種の知見と施設を全て民間に積極譲渡することになっていて、日本のコメ農家はモンサントやデュポン、シンジェンタなどへ特許料を支払うことになると説明。
「農家が住友化学と契約し、農薬や肥料、農業資材は全て同社の指定するものでなければならなくなる。しかも、作ったコメはよそに売ってはならない」と強調した。
すでに住友化学がモンサントと共同開発した遺伝子組み換え品種「WRKY45」など70種が開発され、政府に承認されている。茨城県つくば市の隔離圃場(ほじょう)で栽培されているという。  「種子法は来年4月に失効する。それまでに公共品種保全法をみんなで作らなければ。でないと、日本の農業は危機的状況になる」と警告した。

今回、共謀罪について運営委員の佐久間敬子弁護士が解説する予定だったが、時間の関係で次回勉強会に譲った。次回日程は、今後協議して発表する。

戦争・弾圧・搾取に突き進む安倍暴政の本質を知り主権者が日本を取り戻す! [平和と共生]

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